線路の楽しさ

      

助六の作業線動画が公開されています

南軽出版局『助六 木曽森林鉄道ウグイ川線』(ウグイの漢字は魚編に成)は、森林鉄道の最前線で活躍した 運材列車の貴重な写真を多数掲載していますが、その『助六』に素晴らしい写真を多数提供してくださった 古橋三久さんが、同時に記録された8mmフィルムを再編集して、YouTubeで公開しておられます。
 右はそのタイトル部分ですが、たいへん素晴らしい動画ですので、関心のある方はぜひYouTubeで「鉄の杣道を行く」を検索するか、 ここ をクリックして ご覧ください。

作業線の大木橋を渡る運材列車 YouTube画面のコピー 1975年10月 撮影=古橋三久

上の画像を見て、「8mmにしてはきれいだな」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。これは8mm動画と同時に ブローニー(6×6)のカラーフィルムで古橋三久さんが撮影したものを、プリントからスキャンして、タイトル用として挿入しているのです。 (このカラー画像は『助六』にも掲載しておらず、今回が初めての公表。YouTube動画の方では5分20秒過ぎに、同じ場所で撮影された この橋を渡る様子を見ることができます。)
 当時高校生だった三久さんは、ご父君の正三さん(故人)とともに助六を二度 訪れ、たくさんの8mmとスチール写真を記録されていますが、 その存在は最近まで森林鉄道ファンの間でも知られていませんでした。うち一回は三成善次郎氏が同行され、その折に撮影された16mmフィルムによる動画は 過去に天賞堂から発売されたことがあります。 そちらは画質は良いのですが、三成さんは良いシーンを撮ったらすぐに帰られたそうで、再度の挑戦をして集材シーンや 多数の運材列車を追いかけた古橋さん父子の記録は、より広く深く森林鉄道の実相をとらえ、魅力を伝えるものと なっていると思います。
 のべ4日間の撮影で記録された映像を、8分ほどに編集し直して公開されている動画では、作業線を上る空車3編成、 丸太を運んで下るもの少なくとも9編成の様子を堪能することができます。 普段より長い編成で続行運転をしている様子も写っており、助六の作業線の動画による記録としては、これ以上のものはありません。

木曽谷最後の作業軌道には1973年6月に大木橋がつくられ、76年8月に解体された。 1973年10月 撮影=かねた一郎 

 三久さんの撮影されたスチール写真は、南軽出版局『助六』に23点が掲載されています。この本は、本州の森林鉄道で最後まで残っていた ウグイ川線を題材に、作業軌道の成り立ちと構造、景観を詳しく解説した他に類書のないもの。今回公開された動画と合わせて見ることで、 その特色と魅力とを よりいっそう感じ取っていただけると思います。

 参考:過去に当サイトで公表した助六の作業軌道のページ   助六のダブルΩ   ダブルΩとの出会い  
 Ωを通過する運材列車  (クリックすると画像倉庫の該当ページが開きます)

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