特別その他
台湾で森林鉄道の特別展開催(その2)
前回につつき、台湾の国立博物館 鉄道部パークで開催された特別展『臺灣林業鐵道』の紹介です。 2つ目の展示室は「林業鉄道大捜秘(林業鉄道の秘密を探索する)」と題されています。右は入場者に配られるリーフレットの、「林業鉄道大捜秘」解説部分。 このパートでは、高地にある木材をどうやって平地まで下ろしたかという技術がとりあげられます。
台湾の森林鉄道は、明治末に計画され大正3(1914)年には運材を開始していた阿里山と、大正末期に開通した八仙山・太平山(羅東)、 おもに戦後に開発が進んだ東海岸では、集運材のシステムがかなり違っています。阿里山では標高差2000m以上を スパイラル(ループ)線やスイッチバックを採用した鉄道によって下ろすのに対し、八仙山や太平山では索道と鉄道が併用され、 東海岸ではさらに大規模な複数の索道がいくつもの軌道を繋いでいるのです。これらの森林鉄道の概要については、南軽出版局の『阿里山森林鉄道 1966-1968』をご覧ください。
また、伐採現場から索道や軌道までの間は、蒸気集材機や木馬、土滑道、木滑道(日本でいう修羅)、管流(川を流す)など、
様々な方法で丸太を輸送していました。上は、そうした手法を説明するためのイラストと写真。
今回の特別展でおもしろいことの1つは、左写真の黄色い箱のように、説明に実物大の模型が使われている点です。
この細い箱は、索道で人間を運ぶためのもので、登る(あるいは下る)人は、この中に立って扉を閉め、数百~数千mの距離を
太いワイヤーケーブルに吊られて運ばれていたのです。
この箱の右側は板でふさがれておらず、観客は実際に箱の中に入って、その狭さを体験できるようになっています。
台湾東部で索道が実際に使われていた時代の様子は、こちらのページで
YouTubeにある貴重な動画を紹介しています。
特別展『臺灣林業鉄道』は、2023年10月15日で終了しました。