特別その他
台湾で森林鉄道の特別展開催(その1)
右のリーフレットは、台湾の国立博物館 鉄道部パークで、2022年11月から約1年間にわたり開催された 特別展『臺灣林業鐵道』の入場者に配られるものです。 今回は、私たち南軽出版局も協力をしている、この展示についてご紹介しましょう。
この鉄道部パークは2020年に開設されたもので、30年前までは台湾鉄道総局の入っていた建物。元は日本統治時代の大正7年、台湾総督府交通局
鉄道部の庁舎として作られたもので、台北工場の敷地と隣接しており、さらに歴史をさかのぼると、
清朝時代に機械局の施設があったところです。
常設展示のほか特別展のためのスペースがあり、今回は3つの部屋で
「我門的山林(私たちの山と森)」「林業鉄道大捜秘(林業鉄道の秘密を探索する)」「森林裡的移動風景(森林内の移動風景)」
というテーマ別の展示が行われています。
最初の部屋の入り口から中をのぞいたのが左の写真。奥に巨大なパネルがあるのが見えますね。近づいてみましょう。
横幅が3mもある大パネルになっているのは、57年前に けむりプロが撮影し『鉄道讃歌』130ページ、『阿里山森林鉄道1966-1988』24-25ページに 掲載されている写真。昨年春に台湾側からオファーがあった際には、「そんなに大きくするの?!」と驚きましたが、見事な出来栄えです。 写真右の部分には、台湾の森林資源についての説明が記され、その上部には動画を見せるためのモニターが置かれているようです。
この部屋では、ヒノキなどの森林資源が膨大にあったこと、日本の統治下で阿里山、八仙山、太平山、林田山、木瓜山(ハロン)、太魯閣(嵐山)といった林場が拓かれ、
山地の先住民の生活が一変したこと、各林場の重要な出来事の年表などが展示されています。
そして、もう1枚、けむりプロの写真が巨大なパネルになっています。
右の、神木の下でシェイの牽く列車が離合する姿。(南軽出版局の『阿里山森林鉄道1966-1969』で26-27ページに掲載されているもの)
2番目の部屋から先は、回を改めて紹介することにしましょう。
特別展『臺灣林業鉄道』は、2023年10月15日で終了しました。