線路の楽しさ

       

ダージリン鉄道 1969年の No.3(アゴニー・ポイント) ループ

チンダリアを出てガヤバリまで、線路は主尾根の上をひたすら登っていきます。途中には2つのスイッチバックとループ線があり、ループは 「アゴニー・ポイント(苦悶の地点)」と呼ばれています。なぜ、こんな名が付けられたのか分かりませんが、ここは全線でいちばん急なカーブなので、 列車が軋みながら通過する様子に由来しているのかもしれません。

No3 ループ
右がチンダリア 左がガヤバリ方面 1969年 撮影=柳一世

このループは少し高いところから見下ろすことができ、線路に囲まれた中央部が庭園になっていて見通しがきき、立体交差部が見やすいため、開通直後の1880年代から多数の写真が撮影されたり、絵画が描かれたりしています。 今は存在していない車輌、ガーラットが牽く列車など様々なものをWEB上でも見ることができますので、関心のある方は< darjeeling agony point >で画像検索をしてみてください。
 けむりプロが撮影した貨物列車の写真は、『鉄道讃歌』162ページと『ダージリン・ヒマラヤン鉄道&マテラン登山鉄道』 30ページ、82ページに載っています。
 その時点でも、かなり木が大きく育っていましたが、現在ではループ全体を見通すことはできなくなっています。1890年頃、1969年、2007年の 様子を並べたものが、サイト「夢遊生活の日々」2007年の訪問記(前半)にありますので 参考にしてください。 なお、ここが当初4番目のループだったものが、災害後の復旧工事に伴って2つ廃止されたため、現在では下から2番目となっています。前回紹介した チュンバティと、このアゴニー・ポイントが撮影しにくくなっているため、ループ線の景観を味わおうとすると、残る1つ バタシア・ループに行くしかないようです。
 もう1枚、このループの全体を線路際から見通した写真を紹介しましょう(下の写真)。現在でも、このあたりの線路際で撮影することはできるようですが、 木が生い茂っているので、このように背景の谷とその向こうの山並みを写すのは難しいと思います。

No1 ループ
No.3ループの上、ガヤバリ側から見たところ。1969年 撮影=柳一世

これらループの位置やその前後の線形、地形などに関心のある方は、『ダージリン・ヒマラヤン鉄道&マテラン登山鉄道』掲載の地図をご覧ください。

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