線路の楽しさ
ダージリン鉄道 1969年の No.2(チュンバティ) ループ
線路はラントンを出るとほぼ180度向きを変え、南に延びる枝尾根をスイッチバックとオメガで登り、再びラントンの北、標高差で150mくらい高い地点に到達します。 ここで主稜を西から東へ乗り越して、それまでバラサン川を左に見ていたものが、右手にマハナンダ川の谷を見下ろすようになります。そこにあるのが 2番目(当時)のループでした。
上の写真が南側から見たところで、前回とりあげた No1 同様、ここでも車道と線路が交錯しつつ、尾根を左から右へ乗り越しています。左手後方から登ってきた線路は 右の崖下をめぐって正面に見える短い橋をくぐり、道路と一緒に手前をぐるっと一周して橋を渡って右奥へと進んでいきます。(上の画像にカーソルを乗せると線形の説明を見ることができます)
橋の先にある巨樹の根元から逆にみたのが右の写真。ここが一番良いポイントですが、ループ全体の半分以下しか見えません。
この位置で列車をとらえたカットが、『鉄道讃歌』163ページと『ダージリン・ヒマラヤン鉄道&マテラン登山鉄道』
26-27ページに載っているものです。
開通後すぐの様子が 古い写真 で分かります。(当時は
ここが3番目のループでしたが、その後災害復旧に際してNo.1・ No.2 ループが無くなったため現在はチュンバティが1つ目。)
線路わきの巨樹がいつごろ植えられたものかは不明ですが、けむりプロの訪問時には樹齢70年ぐらいになっていたのでしょうか。
尾根の上にあるため、陽当たり良く雨の多い、樹木が成長しやすい場所なのだと思います。根元には祠のようなものがあるのが見えます。
右の3枚目の写真は、線路が大きな木の下を抜けて北のチンダリア方面へ向かうところ。こういう素晴らしい木の写真は、けむりプロの作品に
しばしば登場しますが、『ダージリン・ヒマラヤン鉄道&マテラン登山鉄道』でも掲載されなかった珠玉の1枚。
なお、このループの最近の様子はサイト「夢遊生活の日々」2015年の訪問記 で見ることができます。周囲は樹々に覆われ、ループ内部に家が建ち、線路わきには商店も出来て、かつての景観は失われています。 ループの位置やその前後の線形、地形などに関心のある方は、『ダージリン・ヒマラヤン鉄道&マテラン登山鉄道』掲載の地図をご覧ください。