線路の楽しさ

  

30インチと42インチの出会い(その2)

 小坂鉄道大館駅での積み換えシーン2枚目の場所を、少し左に寄った位置から眺めたのが下の写真です。

左から3本の線路は2フィート6インチ、右の3フィート6インチの線路には国鉄の無蓋車が入っている。1961年 2枚とも撮影=細井扇郎

 線路と建物、車両の位置は、右図を見てください。3フィート6インチの線路が図の上(西)側から2フィート6インチの線路の間に入り込んでいます。図で、枕木の描いてある線路が3フィート6インチ。国鉄からの貨車が停まっている線路は、彼方に見える大きな建物の向こう側から続いているようです。
 この線路の東の端は、2フィート6インチの線路と短い4線区間になっており、そこには重い貨物の積換え用にチェーンブロックの下がったやぐらが設けてありました。
 機関庫に入っている線路は、おそらく元は両方とも2フィート6インチの線路だったものが、1950年に花岡線が改軌されて以降、片方だけ3フィート6インチにされたのでしょう。

右は3フィート6インチの蒸気機関車256号。正面に見えているのは2フィート6インチの雨宮12号

 機関庫の中に入っているのは、明治40年に汽車会社で造られた230型(A8のコピー)256号。花岡線が改軌される少し前に、小坂鉄道にやってきた機関車ですが、この時点ではディーゼル機関車が導入されて、休車となっていたようです。1つの機関庫に、ゲージの違う線路が反対側から入っていたり、ゲージの違う側線が並んでいる姿は、模型の素材としても参考になると思います。

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