車輌のおもしろさ

      

100歳を超すダージリンの機関車 その2

英国シャープ・スチュアート社は、1903年に合併してノース・ブリティッシュと社名を変えますが、引き続きダージリン鉄道に同じBクラスを16輌納入しています。 "Steam Locomotives in India"という本によれば、そのうち最も初期のものが、この786号で元の番号は30、1904年製造だそうですが、けむりプロの最初の訪問時には銘板は付いていませんでした。

786(1969年) 786(2007年)
上)1969年 スクナ 撮影=柳一世 下)2007年 ガヤバリ~マハナディ間の給水地点 撮影=夢遊仙人

番号を付け替えた後は786号から791号、798から806号までが同社製で、一番新しいのは1927年製なので前身のシャープ・スチュアート時代から延々38年間、 同じ設計の機関車を納品し続けていたことになります。その後一世紀にわたって使われ続けたのですから、この鉄道の急勾配・急曲線などの条件に適していた ということでしょう。
 2007年の姿(左)ではライトの交換以外、大きな改造はされていない様子。側面のインド国鉄「北東辺境部」を示す「NF」は右側だけベンガル文字(?)に変更されていますが、 何と書いてあるのか不明です。

左下は最後に納品された802号。第2動輪にスプラッシャー(泥よけ)が付いているところが英国製らしい。残念ながら50年前のけむりプロの訪問時の写真には、この機関車はありませんでした。 右下は1925年製の803号の銘板です。

802(2007) 803(1969)
左)2007年 カルシャン 撮影=夢遊仙人 右)1969年 ダージリン駅 撮影=杉行夫

なお、ノースブリティッシュ社から日本に輸入されたタンク機関車では2120、B6が170輌以上もあり、 昭和40年代まで北海道の炭鉱などで動いていたので、菱形の銘板に見覚えのある方もいらっしゃるでしょう。 3輌が青梅の鉄道公園などに保存されていますが、動態保存されている2120型は同社のものではありません。

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