助六 木曽森林鉄道鯎川線
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助六の作業線「ダブルΩ」を登り、尾根を回り込み、林の中を進んだ先にあったのが、この大木橋です。
北市正弘さんがここを訪れた1973(昭和48)年5月には、
作業線はこの木橋の手前まで出来ていたそうです。その1か月半後、我々が最初に助六に足を踏み入れたときには木橋の先に2カ所の集材所が完成し、
既に使用が開始されていました。したがって、この橋が架けられたのは1973年の6月中のことだと考えられます。
本州の国有林の森林鉄道が木曽を除いてすべて消え去り王滝本線の廃止も数年後に迫っている時期に、このような木橋が建設されたのは、実に驚くべき出来事でした。
この橋は、北米の森林鉄道や阿里山のティンバートレッスルとは形状が違い、水平に長い丸太が使われ、五段に積み重ねられた隙間に細い支えが多数入っています。
部材同士の固定には釘やボルトをほとんど使わずに組み上げられていました。
本書では作業線と木橋についても一章を割き、その歴史を考察するとともに、多くの写真や図で構造について解説します。