今月の写真

「今月の写真」では、南軽出版局関係者が撮影した、軽便の魅力に溢れるシーンを公開します。ここで掲載したものは、翌月には再分類して「軽便の魅力」ページの画像倉庫にしまっていきます。隔週で更新していますが、当面は「味噌汁軽便」ものを月に1~2程度、合間にその他のものを交えてご紹介する予定です。

軽便鉄道の魅力を探る      田圃の中を直角に曲がる軌道(つづき)


 前のページの直角に曲がる軌道が写っているコマ全体は、下のようなものでした。

  越後交通栃尾線のどこか 1962年夏 撮影=柳一世

 直角に曲がった先は、用水路に沿って栃尾線に向かって進み、電車の走っている線路の反対側には何か小屋が見えています。農作業用の小屋ではないらしい雰囲気が漂っています。ひょっとして、この土を運んでいたトロッコの軌道は、電車の線路と平面クロスしていたのではないでしょうか?

 気になるので、さらに拡大してみました。(下の画像)
 信号機のようなものが立っています。しかも、信号の向きは明らかに軌道の側を向いています。ということは、この写真では稲穂の影で軌道が見えていないものの、やはり工事用の軌道は栃尾線の線路を乗り越して反対側の小屋の方に続いているに違いありません。
 小屋には特別の設備は無いようですが、そこで丘を崩した土を降ろしていたのでしょう。もしかすると、粘土か何かを小屋で袋詰めして、栃尾線の貨物列車で運び出していた可能性もありそうです。手前の軌道のゲージは2フィート6インチ(30インチ)か、2フィート(24インチ)だろうと思います。
 30インチの異なる軌道が平面クロスしている、あるいは30インチと24インチがクロスしているというのは、ちょっと珍しいだけではなく、模型の表現にも新しい視点を与えてくれるのではないでしょうか。「味噌汁軽便」と「産業系」「土工」というのは、しばしばナロー好きの中でも別ジャンルのように受け止められていると思いますが、こういうシーンであれば両立するんです。

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