車両のおもしろさ
西大寺ハボのデッキ手すり
オープンデッキ客車の手すりに注目するシリーズ最終回は、西大寺鉄道の客車です。この古風な客車が単端に牽かれて走る姿は以前にご紹介しましたが、デッキの手すり下部のデザインは何の変哲もないものの、屋根まで延びている支柱の上部がカーブしているところが、なんとも優雅です。
上の写真はハボ12ですが、このタイプが何両あったのか正確なところは不明です。この訪問時に竣工図を撮影したものがハボ1(1~3、5、7~10)、ハボ16・17、ハボ19・20・22の13両分あるのですが、そこでは支柱は真っ直ぐに描かれています。実物写真を見てもカーブしているものはありません。他の写真からハボ4と6、21も真っ直ぐだったことが分かります。ハボ18には、あみだくじみたいな複雑な格好の手すりが付いていました。
左の写真はデッキ部分のアップです。これはハボ12とは細部が異なっており、連続するカット(最下段=左のデッキとは反対側から撮影したもの)を拡大してみると番号はハボ13のようです。ただ、西大寺の車輌はどれも車輌番号の表記がめだたず、かろうじて読みとれる程度なので、間違っているかもしれません。岡山の動物園に保存されている西大寺の客車はハボ13だと言われていますが、その保存車のデッキ支柱は真っ直ぐなものです。
リンク先のサイト地方私鉄1960年代の回想には、ハボ14の写真があり、他のサイトにあるハボ11と15も同じ形状の支柱を持っています。そうなると、ハボ11~15がこのタイプであった可能性が高いような気がしますが、ハボ13だけは後に改造されてしまったのでしょうか?
番号の確定はさておき、これらの客車は明治の香りが漂う古風な車体が、車輪径が小さい台車に乗っていて、腰が低いところが実に軽便風という印象があります。