ワフ竣工図
 上=くじ場車庫にて1950年代末、柳一世によって撮影されたもの  左下=ホワフ4 1971年北川駅にて 撮影=高田三郎
ホワフ妻面

上が井笠ホワフ4の竣工図で、ホワフ1~3もほぼ同型です。製造したメーカーはホワフ1~3と5が日本車両、4だけが「内田鉄工所」という所。下回りの寸法は同じですが、車体長はホワフ1と2が5480mm、3が5619mm、4が5664mmと微妙に違います。大正初期につくられたこれらの貨車は廃止まで50年間、混合列車に組まれて働き続けました。

ところで、このホワフの妻面には貫通扉が付いています(左の画像)。車掌が連結面を通って他の車両に移動する、という想定なのかもしれませんが、そのためには車掌室側を常に貫通扉のある客車に向け連結しなければなりません。井笠の客車には連結面を移動できないものもありますし、これを貨車の後方や荷台のある気動車に繋いでも意味がないのです。「貫通扉のあるワフ」は他の軽便鉄道にも見当たらず、なぜこのような構造にしてあるのか不思議です。
 上の図では車掌室側妻面の様子が分かりませんが、ホワフ1~3と5の竣工図には、貫通扉が付いた妻面の図が記載されています。

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