stay home week special 4

「注目のサイト・動画・資料」特別版として、YouTubeにあるおもしろい動画をご紹介。ひまつぶしにご覧ください。期間限定ページ、 続編も予定

コロラド・ナローの出るハリウッド映画

 上)撮影にはRGSのカブースやD&RGWの合造車も使用された
 下)ロバに牽かれて!荒野を行く機関車(詳細は左下参照)

1949年に20世紀FOXでつくられた"Ticket to Tomahawk"(邦題「彼女は二挺拳銃」)という映画があります。これは、ナローゲージ(3フィート)の列車が 活躍するということだけでなく、その制作にあたってのこだわり具合、そしてコロラドの鉄道に人々の関心を引き付けた という点で、とてもおもしろいエピソードにあふれています。
 「トマホーク&ウェスタン鉄道」という架空の路線の1号機関車として登場する「エマ・スウィーニー」号。これはリオグランデ・サザン(RGS)のテンホイラー(4-6-0)20号機で、 1899年スケネクタディー製(映画ではボールドウィン製ということにされていました)。フローレンス&クリプル・クリーク鉄道で働いた後、1915年にRGSに移ってきた機関車。 現在はコロラド鉄道博物館の所有で、動態保存のためペンシルバニアで整備され、昨年にコロラド州ゴールデンに戻されています。
 20号機は1951年まで現役でしたが、この映画のために火の粉止めのある煙突や、大きなオイルランプなど、西部開拓時代のデザインにされ、プレートも新製、キャブは赤く テンダーは緑に帆船のマーク、というように塗装されました。
 走行シーンはデンバー&リオグランデ・ウェスタン(D&RGW)の現在も残されているシルバートン~デュランゴ間で撮影され、美しい渓谷に沿って走る姿が人気を呼んだことから、D&RGW社は 「あなたもトマホーク行きの切符が買える」というキャッチコピーで集客し、存亡の危機に直面していたこの支線に観光客が押しかけ、それが現在につながっているのです。
 ストーリーの概略や、映像の入手方法などは左下コラムをご覧ください。
参考:デュランゴ鉄道歴史協会のサイト。メニューの右下”Emma Sweeney" をクリックすると関連記事が読めます。

ストーリー(鉄道ファン向け)と制作秘話


映画ファン向けの解説はDVDの案内をご覧ください。 列車の走るのは冒頭5分半とクライマックスの疾走5分間に限られます。主人公の旅するセールスマンがとある駅に着くと、 そこから先は建設中。しかし切符を買った彼に目的地まで行ってほしい事情のある人々がいて、ロバの大群に牽かれて出発する破目に。 この部分の撮影のため、なんと本物そっくりの精巧なハリボテがつくられました。カウキャッチャーやキャブは木製ですが ボイラーや下回りは金属とグラスファイバーを使い、総重量は8トン程度に収めているそうです。道中 鉄道が延びてほしくない馬方やインディアンの妨害に会いながら、主人公の機転で切り抜ける。 大ティンバートレッスルが爆破されちゃうシーンがあるのですが、これはどうやらRGSの廃線でロケをしたらしい。で、山越えをするのに機関車を分解し(!) 線路が出来ているところまで運び、組み立てて走る。 笑っちゃう展開ですが、鉄道好きが見ても楽しめる、よくできたコメディです。

 左)ハリウッド「お約束」の列車上での決闘シーン 右)ナンバープレートと汽笛を抱えて馬で山越えをする主役の2人

YouTubeで全編が見れますが英語版。 日本語字幕付きDVDが千円以下で買えるので、 お勧めです。なお日本版パッケージ(右)の女性はチョイ役で出ているマリリン・モンロー。主役の「彼女」はナイフ投げの巧みな西部の逞しい女性ですが 二挺拳銃ではないので邦題には偽りあり(笑)。

 日本語版DVD

RGS20号の模型 1/87


ナローとはいえ大きな機関車が多いコロラド・ナロー機の中で、この20号機は細身のボイラーや4-6-0の軸配置など、とてもバランスの良いデザイン。 過去数社によって製品化され、モデラーにも愛好者は多いようです。

 エリエイ(PEMP)によるHOn3製品 所蔵・撮影=中部浩佐

RGS20号の模型 1/1


「関係者がホンモノと見間違える」ほど良く出来ていたと言われるハリボテは、映画完成後に人手に渡り、オレゴンとカリフォルニアを転々とした後、 コロラドの保存団体に引き取られました。現在はデュランゴのサンタ・リタ公園に置かれています。

 映画出演時の姿に合わせて塗装し直されている

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