海外ナロー動画
YouTubeでみつかる興味深い海外ナロー鉄道の動画を厳選。古い貴重な映像、映画等作品化されたもの、現在の保存状態など、簡単な解説を付けて紹介します。あわせて関連するサイトや書籍などの資料も。
Maine 2 Footers
米国北東部メイン州には、19世紀末から1930年代にかけて幾つか軌間2フィート(610mm)の鉄道がありました。コロラドの3フィートナローが
一つのジャンルとみなされるように、これらも"Maine Two Footers"と総称されますが、その歴史をかいつまんで述べているのが左上の動画(8分半)。
ソースが不明で、途中に出てくるカラー映像には英国やコロラドの参考画像が含まれていますが、モノクロ部分はメイン州のナロー路線での撮影。
現在も保存されている機関車は「フォーニー」と呼ばれる軸配置0-4-4または2-4-4のタンク機だけで、左の2つに出る
Sandy River & Rangeley Lakes Railroad(サンディー・リバー&レンジリー・レイクス鉄道=以下SR&RLと略)所属のテンダー機は
すべて第二次大戦前に解体・溶鉱炉で溶かされてしまったので、動いている姿はたいへん珍しく貴重です。左下(2分)は
"Sandy River Line"というDVD(下)の広告で 保存団体のサイトから購入可能。
このほか Sunday River Production から出ているDVDもありますが、広告画像 をみる限りではフォーニーしか出ていないようです。
Maine 2 Footersを受け継ぐ保存鉄道
メイン州には現在、かつての2フィート鉄道の保存活動をしている団体や博物館が3つあります。規模が大きいのはウィスカセット・ウォータービル&ファーミントン鉄道跡地にある WW&FR博物館。3.2㎞の路線とフォーニー3輌、客貨車多数。下の画像は、そこで今年2月に行われたイベントの記録(13分半)。 他団体と協力して残されているフォーニー全5輌(走行したのはうち3輌)を集め、3日間にわたり列車を走らせています。
ポートランド市にあるメイン・ナローゲージ鉄道博物館には動態で保存されている機関車があり、2.4㎞の線路を走るイベントも いろいろ企画されているようです。フィリップスで活動している SR&RLの保存団体は、多数の車輌を保有していますが 動力車はディーゼルで蒸気機関車はありません。
本や模型も充実
鉄道会社がいくつも存在し名称も変わったりしているので、詳しいことはこれらの本をご覧ください。
右が1959年に出版された古典。これではまった人も多い。再版(右中)は表紙が違います。
少し下の世代は、1973年に出た写真集(右下)に影響を受けた人が多いかも。このほか79・80年に出た "Two Feet Between the Rails" という2巻本、
さらに近年、"The Sandy River and Rangeley Lakes Railroad and Predecessors" という5巻シリーズもあり。後者は
保存団体が取り扱い中。
SR&RLを好む模型ファンは、北米にはもちろん日本にも少なからず存在します。製品は珊瑚模型店からHOn2-1/2の
SR&RLシリーズが発売されていました。