ストラクチャーの魅力

   

軽便祭ポスター余話 新三俣駅のガソリン計量器

 今年も「軽便鉄道模型祭」の開催が目前に迫ってまいりました。今年も皆様の力作を拝見するのが楽しみです。
 さて、右の2枚は昨年のポスターで、機関車にバケツで注水している左写真は、少し前に「今月の写真」でとりあげました。今回は、もう1枚の気動車が写っている写真をとりあげましょう。
 手前の人物は、列車から降りた乗客が線路を横断して駅舎に向かうところ。夏の強い陽射しの中を、白い帽子をかぶった女の子が歩いている。軽便鉄道の小さな駅の風情が伝わってくる、とても印象的な瞬間です。
 舞台となった駅は、静岡鉄道駿遠線の新三俣ですが、前後の画像を詳しく見てみると、ちょっとした発見がありました。

 右の気動車はキハD18で、後ろに客車を2輌従えています。反対側に停車中の列車は、新藤枝行のキハD13単行。
 この駅の構内図や駅舎の写真は、『軽便探訪』(新井清彦著・機芸出版社)に紹介されています。この写真の奥、新藤枝方には機関庫があるのですが、ちょうどキハD18の陰になって見えていません。また、この写真には写っていないのですが駅員の左、いちばん左の側線にはDB608が停車中。どうしてそんなことが分かるのかというと、次のコマに写っているからなのです。

 で、発見というのは、さらに次のコマ。キハD13が走り去った後の写真を見ると、ホーム上にガソリン計量器が置いてあるではありませんか。『軽便探訪』の図を良く見ると、ホーム上に小さく軽量器の絵が描いてあるのですが、説明がないので気づいていなかった方も多いのではないかと思います。
 他にこういう例を見たことがなかったので、ガソリン計量器って側線に置くものと思いこんでいました。ホーム上に設置しても良いものだったのですね。
 軽便祭を前に、ホーム上の小物にお悩みの方、まだ間に合いますよ(笑)。

 静岡鉄道駿遠線 新三俣駅 奥が新藤枝方、手前が袋井方 1962年8月 2点とも撮影=夢遊仙人

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