ストラクチャーの魅力

      

1人で回せる?川桁の小さなターンテーブル

 若い人は「ターンテーブル」というと、クラブDJの使う機材を思い浮かべるかもしれませんね。鉄道用語では「転車台」と呼びますが、国鉄や大手私鉄と違い、ナローゲージにはとても小さくてかわいいものがありました。


 DC121を乗せて運転手さん1人で回せる?川桁のターンテーブル。右後方に見えているのは蒸気機関車用の給水タンク。 1961年 撮影=柳一世

 写真のターンテーブルは沼尻鉄道の起点、川桁駅にあったもの。ロッドで結ばれている機関車の動輪がギリギリで乗っており、車体ははみ出しています。DC12型の車体長は4900mmですがホイールベースは1900mmなので直径は3mほどもあれば十分なわけです。他の写真からの推定では桁部分の長さ約3400mm。模型化するとOナローで7cm、HOナローなら4cmくらいにしかなりません。

ガソ101は撮影=夢遊仙人 中左 撮影=杉行夫 中右 撮影=井上一郎 下の2枚は撮影=高田三郎

 DC12は重量が12トンもあるので、上の写真では反対側にもう1人居るのではないかと思うのですが、もしかすると頑張れば1人でも回せたのかもしれません。ここにガソ101が乗せてあることも多かったようで、右のように回さなくても乗っているだけでサマになりますね。こちらもホイールベースは1829mmですが、5500mm近くある車体は相当はみ出しています。

 ふつう機関車はバック運転できるのですが、運転席からの見通しの問題で、折り返す際に向きを変えることが多かったようです。単端式気動車は運転台が片側にしかなく後進が1速しかないので、向きを変えないと使えません。そのため、ほとんどの軽便鉄道は終端駅に転向施設を設けていました。
 他の軽便の例も紹介しておきましょう。いずれも、ピットはセメントで固めてあり、短い桁の両端に鉄輪のローラーが付き、車輌の出入りの際に桁を固定する装置があります。5トンくらいの機関車を転向するものは小さいですが、尾小屋は15トンクラスの蒸機が入るため、桁も長くピットも深いものでした。

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