ストラクチャーの魅力

                

巨大なホッパー(小坂鉄道)

小坂のホッパー

 線路脇にそびえ立つこの建物は、電化されていた終点小坂から小雪沢の間のどこかにあったものですが、場所が判明していません。明らかに索道から線路上の貨車に積込みをするためのホッパーなのですが、撮影された時点では上部の滑車にワイヤがかかっておらず、手前のやぐらについているハシゴも途中から切れているので、既に使用されなくなっていたのでしょう。

 ナローの鉱山鉄道で、これだけ巨大な施設のあるところは珍しいと思います。沼尻鉄道の終点、デルタ線の奥には索道から硫黄を積み換える小屋がありましたが、これに比べればずっとこじんまりとしています。尾小屋鉄道の沿線にも索道がありましたが、少なくとも我々の知っている時代には鉄道への積み換えはしていませんでした。
 しかも、高さが機関車のゆうに4倍はあるこの建物は、すべて木でできています。右下に見えているのは1957年につくられたロッド式ディーゼル機関車で、 ナローの車両としてはかなり大きいものです。
 
 いったい何を運んでいたのか。いつごろ造られ、いつまで使われていたのか。まったく資料が見つからず、今のところ謎に包まれているのですが、この存在感は圧倒的です。

小坂鉄道沿線 1961年 撮影=柳一世

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