四季おりおりの姿

   

 頸城鉄道  コッペル2号機の記念運転その2

コッペル流し撮り
百間町で入換え中の2号機。キャブにつかまっているのは百間町の女性駅員。

 青空の下、緑の田園を走る小さな汽車。このときの頸城の記念運転は、とうに消え去ってしまった蒸気軽便の、ありし日の姿を垣間見せてくれた最後の瞬間でした。

 全線を一往復した記念運転が終わって、ほとんどの鉄道ファンが帰ってしまった後も、梅村・杉両氏は百間町に残っていました。
 午後、戻ってきた機関車が入換えをしている最中にも、こんな楽しい瞬間(写真上)があります。百間町には2人の女性駅員が居たのですが、機関車につかまっているのはその1人。構内でポイント操作をするために乗っているのです。
 この人がポイントを換えるために走っている姿は、梅村氏のサイト『夢遊生活の日々』で見ることができます。

 アラン式のロッドの動きを狙って、客車のデッキから身を乗り出して撮影したり、田圃から給水する光景を記録したり。撮影はまだ続きます。
 蒸気機関車に火の入っている珍しい光景を見に、子どもたちもやってきました。

 やがて、彼方の山に陽が落ちると、いよいよ夜の機関車を狙う時間です。あたりが闇に包まれてから、庫の前で機関車の背後からストロボを焚いた写真。それが、キネマ旬報「蒸気機関車」に掲載された「南部軽便鉄道」後編の表紙に使われ、多くの読者を「いったいどこで何を撮ったものだろうか?」と惑わせた一枚でした。

はんのき
(上)午後の日を浴びて入換え。コッペル2号機+ニフ1+ホハ5。 (下)見物に来た子どもたち。
3枚とも百間町構内 1966年5月12日 撮影=杉行夫
koppelと子ども

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