四季おりおりの姿

  尾小屋鉄道   朝の除雪列車

1971年2月 新小松~西吉竹 撮影=かねた一郎 (カーソルを画像に重ねると次の1枚に、画像の上でクリックするとその次の1枚に変わります)

 東の空が朝焼けに染まってからしばらくして、線路わきの雪に埋もれた田んぼの中で、一番列車を待つことにしました。まだ低い朝陽が、雲の隙間から顔を出しては、また隠れます。キラキラと輝く雪原の彼方は、靄がかかっていて見えません。
 やがて、靄の中にぽつんと光が見えました。ディーゼル機関車の前照灯です。スノープラウが雪を跳ね飛ばしていますが、後ろには客車が付いていません。かなりのスピードです。一番列車の前に、除雪用に機関車を走らせているのです。
 続いて、もう一台の機関車に牽かれて一番列車がやってきます。2列車が通過した頃には、朝陽は少し高くなりました。

 折り返しの列車に乗って山奥に向かうと、深い雪のために金平の駅で運転は打ち切り。列車は新小松に戻ってゆきました。朝の除雪をした機関車が、単行で雪を跳ね飛ばしながら山奥に向かいます。
 午後にもう一度、機関車が重連で出て行きましたが、やはり線路が空く様子はありません。

 午後遅くなって新小松の機関庫に戻ると、運転士さんたちが朝から奮闘していた機関車の整備に忙しくしています。おもての雪は次第に激しくなってきました。明日もまた、きびしい雪との戦いになりそうです。

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