車輌のおもしろさ

      

頸城の暖房システム


 前回に続いて頸城鉄道の客車をとりあげます。下の写真は早朝、朝陽が昇る直前に始発駅に停車している列車のようすですが、ホーム上にワイヤのようなものが見えます。実は、これは客車の暖房のために電気で車内に蓄熱をしているところなのです。

  上=DB81+ホハ5の飯室行き一番列車が出発を待つ 百間町 1971年2月 撮影=かねた一郎 
  左=部分廃止後終端駅になった百間町で蓄熱をする 1969年2月 撮影=梅村正明   右=ホハ2の妻面下部 1971年4月 撮影=高田三郎

 軽便鉄道の車輌には、暖房がないことも珍しくありません。積雪地でも客車には暖房が無かったり、火鉢を床においていたりする例がみられます。頸城鉄道のホハ1~5は、すっきりした床下のシルエットからも分かるように発電機は備えていません。しかし、写真のように始発駅で電灯線に接続し、座席下のヒーターで蓄熱するという方式をとっていました。特に冬期はホジ3をあまり使用せず、ディーゼル機関車が客車を牽引していることが多かったので、乗客の少ないときには、わずかな暖房でもありがたい存在でした。
 当時の写真を見ると、妻面下部に2つ丸いプラグのようなものがあり、そのうち側板よりの蓋の無い方に、100V電源からのコードを繋いでいたようです。その隣の少し大きな丸い蓋のあるように見える方は、もしかすると発電機を持っている車輌に接続するための電圧の異なるプラグなのかもしれません。

 この蓄熱方式が、日本車輌で製造されたときからの仕様であったのかどうかは不明です。また、車内には白熱灯を備えており夜間には点灯していましたが、残されている写真を見る限りでは、頸城鉄道の機関車と客車の間には車内電源用の接続がされているようには見えないので、これも停車中にバッテリーに充電していたのでしょうか。


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