今月の写真

「今月の写真」では、南軽出版局関係者が撮影した、軽便の魅力に溢れるシーンを公開します。ここで掲載したものは、翌月には再分類して「軽便の魅力」ページの画像倉庫にしまっていきます。隔週で更新していますが、当面は「味噌汁軽便」ものを月に1~2程度、合間にその他のものを交えてご紹介する予定です。

軽便鉄道の魅力を探る    大きな木のある森林鉄道の停車場

遠山森林鉄道 柿の島停車場 1973年5月 撮影=かねた一郎

これは45年前の遠山森林鉄道、柿の島の写真です。右を流れる遠山川に向かって伸びている大きな木。その下にあるのは保線区の小屋。ふりそそぐ陽光に映える新緑がとても美しい日でした。
 この鉄道は南アルプスから流れ出る遠山川に沿って30km以上の延長を有していましたが、この時代は起点の梨元から6kmの柿の島までの区間だけが残されていました。 下の写真は反対側から見た保線小屋で、使われずに荒廃している感じが見えます。路線が短縮されたため保線区は不要になっていたのですが、何かの事情で鉄道が廃止されるまで残されていたのです。

保線小屋は、全線の廃止後に競売にかけられ、ある営林署職員の方が購入して改装し、自宅として現在もお使いです。鉄道への愛情あふれるエピソードですが、詳細はここに書くことができません。
 また、末期の遠山森林鉄道は、営林署の管理する軌道の上を民間の列車が走るという、なかなか面白い状態だったのですが、その背景や詳しい情報は『遠山森林鉄道と山で働いた人々の記録』(南信州新聞出版局)をご覧ください。

32年後の2005年秋に上の写真と同じ位置から撮影。ながとろ橋から歩いて500mほど

これらの写真を撮ってから32年後、右の写真のように柿の島の大木は変わらぬ姿で立っていました。
 この柿の島停車場跡地を含む「ながとろ橋」から北又渡まで約5kmの区間は、一部に崩落個所があるものの、鉄橋やトンネル、石積みの擁壁などが当時を偲ばせる姿で残っています。
 これらの遺構は、地元の有志が保管・展示している資料や、走行可能な状態に復元した機関車、旧梨元貯木場内に敷かれた線路などとともに、この5月に日本森林学会により「林業遺産」に登録されました。

林業遺産については、日本森林学会のサイトをご参照ください。遠山郷には、森林鉄道の名残りだけでなく、「日本のチロル」と呼ばれる下栗の集落や、奈良時代の地震で土砂に埋もれた「埋没樹」、重要無形民俗文化財「霜月祭」など見るべきものがたくさんあります。展示物などについてのお問い合わせは遠山郷観光協会(0260-34-1071)まで。

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