今月の写真

「今月の写真」では、南軽出版局関係者が撮影した、軽便の魅力に溢れるシーンを公開します。ここで掲載したものは、翌月には再分類して「軽便の魅力」ページの画像倉庫にしまっていきます。隔週で更新していますが、当面は「味噌汁軽便」ものを月に1~2程度、合間にその他のものを交えてご紹介する予定です。

軽便鉄道の魅力を探る    海の見える駅 その2 (下津井電鉄 鷲羽山)


 琴海の駅を出て終点下津井に向かうと、瀬戸内海に突き出た山の付け根を横切り、次の鷲羽山(わしうざん)駅に至ります。琴海で背景に見えるのは児島湾ですが、この駅から見えるのは瀬戸内海に浮かぶ塩飽(しわく)諸島。住民は船乗りとして、また船大工として高い技術があったと言われています。
 下の写真で駅の背後に見えるのが鷲羽山。海抜133mの鷲羽山は眺望がよく、遠く高松も望めるため地元では有数の観光地で、この駅はその鷲羽山の登り口となっていました。

 上=船の向こうに見えるのは塩飽諸島の櫃石島(ひついしじま)1962年4月 撮影=柳一世 
 下=上の写真の位置から少し左を向くと駅の背後に鷲羽山が見える 1982年 撮影=山猫軒主人

 ホームの上屋は何度も継ぎ足して延長しているようです。いちばん長い屋根の架線柱が突き抜けている右下あたり、改札口の外の橋が見えている箇所がありますが、この橋が鷲羽山の登山口です。少し拡大してみたのが左下、逆に橋から駅を見たのが右下の写真。ホームと外の道路のレベルが同じになっていて出入口が広いところが、いかにも観光地の駅らしい。右下の写真では橋の左側の欄干の向こうに、もう一つ手すりが見えていますが、これは駅から海の方へと下る階段。この駅も非常に立体的なおもしろさがあります。

左=上写真の改札付近を拡大したもの 右=橋の上から見た駅。橋の下には川は無く、登山道を水平にするために作られたようだ 1982年 撮影=山猫件主人

 かつて下津井電鉄には古風で魅力的な電車がありましたが、さらに昔、大正初めの開通から戦後直ぐの電化まで、クラウス製の蒸気機関車やガソリンカーがこんな風景の中を走っていたこ様子を想像すると、いっそう心楽しくなります。現在ではこの山を瀬戸中央自動車道と鉄道がトンネルで突き抜けて瀬戸大橋が四国へと延びており、駅の跡から海は見えるものの景観はすっかり変わっています。

入口へ戻る   画像倉庫へ