編成や運行のおもしろさ

    

定期列車で除雪(沼尻鉄道)


 無蓋車を改造した沼尻鉄道のラッセル車は、かなり昔から模型のキットが出ていたことでナロー好きのモデラーには知られていると思います。この除雪車が実際に動いている様子の記録は、古くは『キネマ旬報 蒸気機関車』1969年冬の号、近年ではRMライブラリー113『日本硫黄沼尻鉄道部』上巻、『軽便讃歌II』、そしてサイト「夢遊生活の日々」に紹介されています。

 定期列車の先頭にラッセル車を付けて除雪しながら山を下る川桁行き列車 1967年1月 沼尻鉄道 3枚とも撮影=夢遊仙人

 この鉄道の除雪でおもしろいのは、定期列車に除雪車を付けて走らせることがあった点です。その理由は上記の書籍やサイトでも説明されていますが、要するに除雪専用の列車を走らせるには動力車が不足していたのです。1960年代末初めに最後に残っていた蒸気機関車を廃車にして以降、ずっとディーゼル機関車2輌と気動車だけで営業していたので、昼間に2列車を走らせているときは除雪車を推進する機関車がありません。「それなら蒸機を残しておけば」と思うのはマニアの勝手な願望で、蒸気機関車の維持にはボイラーの定期検査や、給水設備のメンテナンスなど結構な手間と費用がかかります。調子の良いディーゼルが2輌あり、変則的な運用で除雪が出来るのなら、予備は要らないという判断をしても当然でしょう。後でとりあげる頸城鉄道や尾小屋鉄道に比べて、積雪量が少ないという事情が、こうしたユニークな対処をする背景にあったわけです。

 ウィングを広げたまま併用軌道を走る川桁行きの列車

 もう一つおもしろいのは、この鉄道には2箇所の併用軌道があったことです。道路上を除雪しながら進むときにラッセル車のウィングを広げて雪を跳ね飛ばすと、当然のことながら道路上の人は雪をかぶります。でも、右の写真のように、ウィングを畳む気配はありません。

 左=ラッセルを先頭に付けこれから山に向かう定期列車 川桁駅構内  

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